クラミジア
性器クラミジア感染症とは、性感染症の中で最も感染の多い病気です。
Chlamydia trachomatis(クラミジアトラコマティス)を病原体とする性感染症のことで、女性では腟やのどに感染し、男性では尿道やのどに感染します。
感染原因は?
感染原因は、クラミジアにかかっている人との性行為です。
近年では、オーラルセックス(口を使った性行為)による咽頭感染(のど)も多く、咽頭感染の場合は性器感染(腟)よりも難治性であることが知られています。
淋菌
淋菌感染症とは、グラム陰性双球菌であるNeisseria gonorrhoeae(ナイセリアゴノレア)による細菌感染症で、一般に性感染症として起こります。
女性では腟、尿道、のどなどに感染し、男性では尿道やのどに感染します。
感染原因は?
感染原因は、淋菌にかかっている人との性行為です。
近年では、オーラルセックス(口を使った性行為)による咽頭感染(のどの感染)も多く認めています。
梅毒
梅毒はスピロヘータ科トレポネーマ属の細菌(Treponema pallidum subspecies
pallidum)による性感染症のことです。近年では感染者数が増えてきており、注意が必要な感染症です。
感染症法では5類感染症に分類されています。
感染原因は?
感染原因は、主として性行為またはオーラルセックス(口を使った性行為)、アナルセックス(肛門を使った性行為)により感染します。皮膚や粘膜の小さな傷から梅毒トレポネーマが侵入することによって感染するとされています。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症とは、免疫細胞(CD4陽性Tリンパ球)を破壊し、体の抵抗力を低下させる感染症です。
HIVに感染すると、進行するにつれて免疫力が弱まり、さまざまな感染症や悪性腫瘍を発症しやすくなります。
HIV感染が進行し、特定の疾患を発症した状態をエイズ(後天性免疫不全症候群:AIDS)と呼びます。
感染原因は?
HIVの主な感染経路は以下の通りです。
性的接触:HIVに感染している人との無防備な性交渉(膣・肛門・口腔)による感染
血液感染:感染者の血液が体内に入ることによる感染(注射器の共有、輸血など)
母子感染:妊娠中、出産時、または授乳を通じた感染
これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。
クラミジア
自覚症状を認める場合には、数日から3週間程度で異常を認めます。
性器感染した場合の症状としては、おりものが増えたり、悪臭を伴ったり、外陰部がかゆくなったり、不正出血がおこったり、腹痛などを認めます。
咽頭感染した場合の症状としては、のどの違和感などを認めます。
特徴
クラミジア感染の特徴としては、自覚症状が乏しいということが挙げられます。
女性の90%以上は無症状であり、無治療のまま放置されることが多いとされています。そのため特に若い世代での感染が拡大しており、16歳~25歳の男女の5~6%が感染しているといわれています。
淋菌
自覚症状を認める場合には、数日から1週間程度で異常を認めます。
性器感染した場合の症状としては、おりものが増えたり、悪臭を伴ったり、外陰部がかゆくなったり、不正出血がおこったり、発熱や腹痛、排尿痛や外尿道口からの排膿などを認めます。
咽頭感染した場合の症状としては、のどの違和感などを認めます。
特徴
淋菌感染の特徴としては、自覚症状が乏しいということが挙げられます。
女性の50%が無症状であり、症状があっても軽いため放置されることが多いとされています。
男性では症状が強く、感染後数日間の潜伏期間を経て灼熱感のある尿道炎を起こし、排尿痛と外尿道口からの排膿を認めますが、男性でも約10%は無症状です。
梅毒
潜伏期間は10~90日と言われており、性器周辺に痛みのない小さなしこりのようなものができたり、血行性・リンパ行性に全身に広がり、あらゆる臓器に急性・慢性の炎症を惹起し、全身性に様々な症状を引き起こします。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症
HIV感染後、症状の経過は以下のように進みます。
急性期(感染後2~4週間)
発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れ、筋肉痛、倦怠感など、風邪に似た症状が現れることがあります。ただし、症状が軽いため、見過ごされることも少なくありません。
無症候期(数年~10年以上)
この期間は自覚症状がほとんどなく、HIVは体内でゆっくりと増殖し続けます。免疫細胞が徐々に減少し、少しずつ免疫力が低下していきます。
エイズ発症期
免疫力の低下により、健康な人では問題にならない感染症(日和見感染症)や、特定の悪性腫瘍が発症します。代表的な病気として、カリニ肺炎、サイトメガロウイルス感染症、カポジ肉腫などがあります。
特徴
HIV感染の特徴として、自覚症状がほとんどない無症候期が長いことが挙げられます。そのため、感染していることに気づかないまま過ごし、知らないうちに他者へ感染させてしまう可能性があります。
近年では、感染経路として異性間性交渉だけでなく、男性同士の性交渉や薬物使用による感染も増加傾向にあります。適切な予防対策を講じることが重要です。
クラミジアと淋菌の両方に感染してしまっているケースが、およそ10~30%あると言われています。
そのため、クラミジアと淋菌は同時に検査を行いましょう。
感染症が進行してしまったら?
気がつかないうちに感染症が進行してしまうと、子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎や肝周囲炎にまで炎症が広がり重症化してしまうことがあります。
この場合には、入院治療が必要になるケースもあります。重症化する前に、早期の検査と治療を心がけましょう。
感染症が放置されていると?
感染症が長期化すると、不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)の原因となってしまうことがあります。
これは感染症により、卵管や卵管周囲で炎症が起き、卵管内腔や卵管周囲に癒着が生じてしまい、卵管の中を精子や卵子が通れなくなるためです。そして受精できたとしても、卵管内腔の輸送機能が低下してしまい、うまく受精卵が子宮へ運ばれずに卵管内で着床してしまい異所性妊娠の原因となってしまいます。
妊娠中の感染症では、流産や早産の原因となることがあり、産道感染により新生児肺炎や新生児結膜炎をきたしてしまう可能性があります。
不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)、流産や早産などの原因となってしまわないよう、早期の検査と治療を心がけましょう。
性器クラミジア感染症とは、性感染症の中で最も感染の多い病気です。
Chlamydia trachomatis(クラミジアトラコマティス)を病原体とする性感染症のことで、
女性では腟やのどに感染し、男性では尿道やのどに感染します。
感染原因は?
感染原因は、クラミジアにかかっている人との性行為です。
近年では、オーラルセックス(口を使った性行為)による咽頭感染(のど)も多く、咽頭感染の場合は性器感染(腟)よりも難治性であることが知られています。
どんな症状があるの?
自覚症状を認める場合には、数日から3週間程度で異常を認めます。
性器感染した場合の症状としては、おりものが増えたり、悪臭を伴ったり、外陰部がかゆくなったり、不正出血がおこったり、腹痛などを認めます。
咽頭感染した場合の症状としては、のどの違和感などを認めます。
これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。
クラミジアの特徴とは?
クラミジア感染の特徴としては、自覚症状が乏しいということが挙げられます。
女性の90%以上は無症状であり、無治療のまま放置されることが多いとされています。そのため特に若い世代での感染が拡大しており、16歳~25歳の男女の5~6%が感染しているといわれています。
クラミジアと淋菌の両方に感染してしまっているケースが、およそ10~30%あると言われています。そのため、クラミジアと淋菌は同時に検査を行いましょう。
クラミジアが進行してしまったら?
気がつかないうちにクラミジアの感染が進行してしまうと、子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎や肝周囲炎にまで炎症が広がり重症化してしまうことがあります。
この場合には、入院治療が必要になるケースもあります。重症化する前に、早期の検査と治療を心がけましょう。
クラミジアが放置されていると?
クラミジア感染が長期化すると、不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)の原因となってしまうことがあります。
これはクラミジア感染により、卵管や卵管周囲で炎症が起き、卵管内腔や卵管周囲に癒着が生じてしまい、卵管の中を精子や卵子が通れなくなるためです。そして受精できたとしても、卵管内腔の輸送機能が低下してしまい、うまく受精卵が子宮へ運ばれずに卵管内で着床してしまい異所性妊娠の原因となってしまいます。
妊娠中のクラミジア感染では、流産や早産の原因となることがあり、産道感染により新生児肺炎や新生児結膜炎をきたしてしまう可能性があります。
不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)、流産や早産などの原因となってしまわないよう、早期の検査と治療を心がけましょう。
淋菌感染症とは、グラム陰性双球菌であるNeisseria gonorrhoeae(ナイセリアゴノレア)による細菌感染症で、
一般に性感染症として起こります。
女性では腟、尿道、のどなどに感染し、男性では尿道やのどに感染します。
感染原因は?
感染原因は、淋菌にかかっている人との性行為です。
近年では、オーラルセックス(口を使った性行為)による咽頭感染(のどの感染)も多く認めています。
どんな症状があるの?
自覚症状を認める場合には、数日から1週間程度で異常を認めます。
性器感染した場合の症状としては、おりものが増えたり、悪臭を伴ったり、外陰部がかゆくなったり、不正出血がおこったり、発熱や腹痛、排尿痛や外尿道口からの排膿などを認めます。
咽頭感染した場合の症状としては、のどの違和感などを認めます。
これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。
淋菌の特徴とは?
淋菌感染の特徴としては、自覚症状が乏しいということが挙げられます。
女性の50%が無症状であり、症状があっても軽いため放置されることが多いとされています。
男性では症状が強く、感染後数日間の潜伏期間を経て灼熱感のある尿道炎を起こし、排尿痛と外尿道口からの排膿を認めますが、男性でも約10%は無症状です。
淋菌とクラミジアの両方に感染してしまっているケースが、およそ10~30%あると言われています。淋菌とクラミジアは同時に検査を行いましょう。
淋菌が進行してしまったら?
気がつかないうちに淋菌の感染が進行してしまうと、子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎や肝周囲炎にまで炎症が広がり重症化してしまうことがあります。
この場合には、入院治療が必要になるケースもあります。さらには結膜炎や咽頭感染、直腸感染を発症するケースもあります。
重症化する前に、早期の検査と治療を心がけましょう。
淋菌が放置されていると?
淋菌感染が長期化すると、不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)の原因となってしまうことがあります。
これは淋菌感染により、卵管や卵管周囲で炎症が起き、卵管内腔や卵管周囲に癒着が生じてしまい、卵管の中を精子や卵子が通れなくなるためです。
そして受精できたとしても、卵管内腔の輸送機能が低下してしまい、うまく受精卵が子宮へ運ばれずに卵管内で着床してしまい異所性妊娠の原因となってしまうことがあります。
妊娠中の淋菌感染では、流産や早産の原因となることがあり、産道感染により新生児結膜炎きたしてしまう可能性もあります。
不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)、流産や早産などの原因となってしまわないよう、早期の検査と治療を心がけましょう。
梅毒は感染してからの時間経過によって病期が分けられます。
早期梅毒の第1期・第2期、後期梅毒の第3期、陳旧性梅毒です。
さらに病期以外の特徴による分類もあります。
早期梅毒
感染してから1年未満の活動性梅毒(治療が必要な梅毒)で、性的接触による感染力が強い時期のことをいいます。
早期梅毒第1期 | 感染してから1か月前後(遅くとも3か月以内)の活動性梅毒の時期をいいます。症状としては、初期硬結(性器周辺・口唇・口内に痛みのない小さなしこりのようなもの)、硬性下疳(初期硬結の中心部分に潰瘍ができたもの)、びらんなどを認めます。女性では出現頻度が低く、上皮がわずかに剝離している程度のことが多いので見逃されやすく注意が必要です。そして多くの場合、数週間後に痛みのない鼠径部リンパ節腫脹を認めます。 |
---|---|
早期梅毒第2期 | 感染してから1~3か月の活動性梅毒の時期をいいます。症状としては、梅毒性バラ疹、丘疹性梅毒疹、梅毒性乾癬、扁平コンジローマ、梅毒性アンギーナ、梅毒性脱毛、膿疱性梅毒疹などの多彩な所見が、3か月~3年にわたり混在して出現する。梅毒性バラ疹・丘疹性梅毒疹は全身性に,梅毒性乾癬は手掌・足底に, 扁平コンジローマは肛門部・外陰部に,梅毒性アンギーナは口腔内にみられる。 |
後期梅毒
感染してから1年以上経過した活動性梅毒で、性的接触による感染力はほぼなくなった時期とみなされます。症状は侵されている臓器によってさまざまです。無症状のこともありますが、活動性(要治療)と判断されるものは後期潜伏梅毒に分類されます。
第3期梅毒は後期梅毒のうち、感染してから年余を経て心血管病変、ゴム腫、進行麻痺、脊髄癆などの第3期臓器病変がみられる活動性梅毒のことです。
陳旧性梅毒
梅毒が治癒状態にあると判断されたものをいいます。治癒状態における梅毒抗体の値はRPRは通常低値ですが、梅毒トレポネーマ抗体は様々であり、症状の安定化、梅毒抗体の値の推移などから総合的に判断せざるを得ません。
病期以外の特徴による分類
潜伏梅毒 | 自他覚症状はありませんが、既往歴・感染リスク・梅毒抗体価の有意な上昇等から要治療と判断される活動性梅毒のことです。RPRの多寡は問いませんが、一般に感染時期から離れるほど、RPR、梅毒トレポネーマ抗体の値はともに高くなります。潜伏梅毒からあらゆる臓器病変の再燃をみることもあります。 |
---|---|
罹患臓器別の梅毒 | 神経梅毒、眼梅毒、耳梅毒、胃梅毒など ※梅毒患者で頭痛、悪心、嘔吐、後部硬直、脳神経病変、痙攣、意識障害、ブドウ膜炎、虹彩炎、難聴などの症状がある場合には神経梅毒の合併を疑い、ただちに高次専門医療機関への紹介が必要となります |
先天梅毒 | 妊娠期梅毒の妊婦からの胎内感染が推定され、かつ、活動性梅毒と判断されるもので、無症状の場合は潜伏梅毒にも該当します。 |
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症とは、免疫細胞(CD4陽性Tリンパ球)を破壊し、体の抵抗力を低下させる感染症です。
HIVに感染すると、進行するにつれて免疫力が弱まり、さまざまな感染症や悪性腫瘍を発症しやすくなります。
HIV感染が進行し、特定の疾患を発症した状態をエイズ(後天性免疫不全症候群:AIDS)と呼びます。
感染原因は?
HIVの主な感染経路は以下の通りです。
性的接触:HIVに感染している人との無防備な性交渉(膣・肛門・口腔)による感染
血液感染:感染者の血液が体内に入ることによる感染(注射器の共有、輸血など)
母子感染:妊娠中、出産時、または授乳を通じた感染
どんな症状があるの?
HIV感染後、症状の経過は以下のように進みます。
急性期(感染後2~4週間)
発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れ、筋肉痛、倦怠感など、風邪に似た症状が現れることがあります。ただし、症状が軽いため、見過ごされることも少なくありません。
無症候期(数年~10年以上)
この期間は自覚症状がほとんどなく、HIVは体内でゆっくりと増殖し続けます。免疫細胞が徐々に減少し、少しずつ免疫力が低下していきます。
エイズ発症期
免疫力の低下により、健康な人では問題にならない感染症(日和見感染症)や、特定の悪性腫瘍が発症します。代表的な病気として、カリニ肺炎、サイトメガロウイルス感染症、カポジ肉腫などがあります。
HIV感染の特徴とは?
HIV感染の特徴として、自覚症状がほとんどない無症候期が長いことが挙げられます。そのため、感染していることに気づかないまま過ごし、知らないうちに他者へ感染させてしまう可能性があります。
近年では、感染経路として異性間性交渉だけでなく、男性同士の性交渉や薬物使用による感染も増加傾向にあります。適切な予防対策を講じることが重要です。
HIV感染が進行してしまったら?
HIV感染が進行し、エイズを発症すると、さまざまな重篤な感染症や腫瘍が発生し、生命に関わる危険な状態となります。免疫力が極端に低下するため、通常の風邪や肺炎も重症化しやすくなります。
しかし、現在では抗HIV療法(ART:抗レトロウイルス療法)が進歩し、適切な治療を受けることでエイズ発症を防ぎながら、長期的に健康を維持することが可能になっています。
HIV感染が放置されていると?
HIV感染を放置すると、免疫力が著しく低下し、さまざまな合併症が発生します。特にエイズを発症した場合、命に関わる感染症や悪性腫瘍のリスクが高まります。
また、妊娠中のHIV感染は母子感染のリスクを伴いますが、適切な治療を行うことで母子感染をほぼ完全に防ぐことができます。
HIVは早期発見と適切な治療が重要な感染症です。感染の可能性がある場合は、早めに検査を受け、医療機関で適切な対応を行いましょう。
性器の場合
子宮頸管擦過検体を専用スワブで採取し、核酸増幅法により行います。
検出には、TMA法、核酸増幅法PCR法、SDA法等が推奨されています。
当院では、おりものを用いてTMA法により性器クラミジア感染・性器淋菌感染の診断をしております。
対象の感染症
性器クラミジア感染症
淋菌感染症
血清反応による診断法があり、RPRカードテストや凝集法(STS)、Treponema pallidumを抗原とする特異的なTreponema Pallidum Hemagglutination Test(TPHA)法またはFluorescent Treponemal Antibodyabsorption(FTA-ABS)法があります。
まずはスクリーニング検査として血清反応検査(STSとTPHA)を行います。そして血清診断のみでは梅毒の進行期の診断ができないため、臨床経過の確認が重要です。第3期梅毒では梅毒血清反応は弱陽性、または陰性となることもあります。STS陽性でTPHAまたはFTA-ABS陰性の場合は感染初期または生物学的偽陽性反応であり、後者の場合は自己免疫疾患などの検索を行う必要があります。
対象の感染症
梅毒
当院では、「当日検査結果がわかる迅速検査」も行っております。
診察をご希望の方は、当院の24時間WEB予約かお電話にてまずはご相談ください。
のどの場合
咽頭検体を採取し、核酸増幅法により行います。
検出には、TMA法やrealtime PCR法によるうがい液、SDA法やTMA法によるスワブ検体等が推奨されています。
当院では、うがい液を用いてTMA法により性器クラミジア感染・淋菌咽頭感染の診断をしております。なお咽頭検査には迅速検査はございませんので、あらかじめご了承ください。
対象の感染症
性器クラミジア感染症
淋菌感染症
※咽頭検査の1時間前から食事・飲水・歯磨きなどを控えていただく必要があります。
咽頭感染では、のどの違和感を認めることもありますが、多くは無症状です。
そして、咽頭感染はオーラルセックスを介して新たな感染源となってしまうため治療が必要です。
クラミジア検査
早期発見により、合併症や不妊症のリスクを減少させ、適切な治療を受けることが可能になります。定期的な検査が重要です。
淋菌検査
感染が進行すると、合併症や不妊症のリスクが高まります。また、無症状の感染者も多いため、定期的な検査が推奨されます。早期対応により、感染拡大を防ぐことができます。
梅毒検査
梅毒は感染が進行すると深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。また、無症状の感染者も多いため、定期的な検査が感染拡大を防ぐ手段となります。
HIV検査
アジアでは近年HIV患者での梅毒が増加しています。日本でも梅毒とHIVの重複感染が10~20%の間で報告されています。梅毒陽性の場合には、HIV検査も受けることが推奨されます。
クラミジア抗体検査とはクラミジアIgG抗体、IgA抗体を測定する検査のことです。
これまでにクラミジアに感染したことがあるかどうかを反映することができます。抗体は治療後も陽性が一定期間持続するため現行感染の診断や治癒判定には適していませんが、不妊症のスクリーニング検査として有用です。
クラミジア
軽症であれば経口薬で治療が可能です。
経口抗菌薬であるアジスロマイシン、クラリスロマイシン、レボフロキサシン、シタフロキサシンによりほぼ確実に治療ができます。
当院での具体的な治療方法をお示しします。
第1選択薬 | アジスロマイシン250mg | 1回4錠 1日1回 1日間内服 |
---|---|---|
第2選択薬 | レボフロキサシン500mg | 1回1錠 1日1回 7日間内服 |
シタフロキサシン50mg | 1回1~2錠 1日2回 7日間内服 |
|
クラリスロマイシン200mg | 1回1錠 1日2回 7日間内服 |
クラミジア感染症は早期であれば軽症のことが多く、1回の内服治療で完治することがほとんどです。おりもの異常や不正出血、腹痛などがあった際には、早期の検査と治療を心がけましょう。
骨盤腹膜炎や肝周囲炎のような強い腹痛を伴う重症例では、入院が必要なケースもあり、ミノサイクリンやアジスロマイシンによる点滴治療を数日間行うこととなります。
治癒判定方法
治療後2~3週間以上あけて治癒判定を行います。
陰性を確認できれば、治療終了となります。
淋菌
軽症であれば1回の注射薬で治療が可能です。
現在のところ、耐性菌の報告がほとんどない抗菌薬であるセフトリアキソン静注、スペクチノマイシン筋注の単回投与によりほぼ確実に治療ができます。
当院での具体的な治療方法をお示しします。
第1選択薬 | セフトリアキソン1g | 1回静注 |
---|---|---|
第2選択薬 | スペクチノマイシン2g | 1回筋注(殿部) |
淋菌感染症は早期であれば軽症のことが多く、1回の内服治療で完治することがほとんどです。
おりもの異常や不正出血、腹痛などがあった際には、早期の検査と治療を心がけましょう。
骨盤腹膜炎や肝周囲炎のような強い腹痛を伴う重症例では、入院が必要なケースもあり、上記薬剤を数日間行うこととなります。
治癒判定方法
治療後2~3週間以上あけて治癒判定を行います。
陰性を確認できれば、治療終了となります。
梅毒
合成ペニシリン製剤の内服あるいは持続性ペニシリン製剤の筋注が第一選択薬となります。
持続性ペニシリン製剤の筋注による治療方法は、以前より国際的標準治療でしたが、日本でも2022年1月より使用可能となりました。ペニシリン系抗菌薬にアレルギーがある場合にはミノサイクリンやスピラノマイシンなどの治療薬を使用します。
当院での具体的な治療方法をお示しします。
第1選択薬(内服薬) | アモキシシリンを1回500mg | 1日3回 |
---|---|---|
アンピシリンを1回500mg | 1日4回 ※第1期の場合2~4週間 ※第2期の場合4~8週間 ※第3期以降の場合8~12週間 |
|
第1選択薬(筋肉注射薬) | ベンジルペニシリンベンザチン筋注 | 1回240万単位 ※早期梅毒では1回のみ ※後期梅毒では1週間隔で計3回 ただし、現在当院では取り扱いがありません。 |
ペニシリン系にアレルギーがある場合の治療薬 | ミノサイクリンを1回100mg | 1日2回 |
スピラノマイシンを1回200mg | 1日6回 ※第1期2~4週問 ※第2期4~8週間 ※第3期以降8~12週間 |
梅毒は早期であれば完治することがほとんどです。
外陰部にできものができた際には、早期の検査と治療を心がけましょう。
梅毒治療薬の注意点
治療の初めごろに、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー(Jarisch-Herxheimer)反応と呼ばれる39℃前後の発熱、全身倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛、発疹の増悪などがみられることがあります。これは治療開始後数時間でTreponema pallidumが破壊されるために起こります。また投薬8日目ごろから薬疹を起こすこともありますので注意が必要です。
治癒判定方法
STSの定量値が8倍以下を継続することと、臨床症状がなくなったことで治癒と判定します。
治療終了後6か月以上して16倍以上を示す場合は、治療が不十分であるか再感染あるいはHIVの重複感染などが考えられます。HIV検査を行ったうえで再治療を行う必要があります。
当院では、男性の方も淋菌検査を受けることができます。
パートナーの方と一緒に来院し、検査と治療を受けていただくことを推奨しています。
淋菌は、男女どちらか一方が未治療であれば再び感染してしまう性感染症です。
そのため、一緒に検査を受け、治療されることをおすすめ致します。
「のど性病検査、即日性病検査、性病コース、各種性病検査」は予約なしで当日受診が可能です。 基本的に9:30-12:30/14:30-17:30であればご予約不要ですが、お日にちによっては受診可能時間が異なりますので、ホームページトップをご確認いただくか、お電話にてご確認ください。いずれも保険適用外となりますので、予めご了承ください。
項目 | 価格 |
---|---|
のどクラミジア | 各4,500円 |
のど淋菌 |
項目 | 価格 |
---|---|
腟クラミジア | 各6,500円 |
腟淋菌 | |
梅毒 | |
HIV |
項目 | 価格 |
---|---|
Aコース 腟クラミジア+腟淋菌+トリコモナス+カンジダ+細菌培養 | 16,500円 |
Bコース 腟クラミジア+腟淋菌+トリコモナス+カンジダ+細菌培養+B型肝炎+C型肝炎+梅毒+HIV | 23,500円 |
Cコース 腟クラミジア+腟淋菌+トリコモナス+カンジダ+細菌培養+B型肝炎+C型肝炎+梅毒+HIV+のどクラミジア+のど淋菌 | 29,500円 |
項目 | 価格 |
---|---|
腟クラミジア | 4,500円 |
腟淋菌 | 4,500円 |
トリコモナス | 4,500円 |
カンジダ+細菌培養 | 2,800円 |
B型肝炎+C型肝炎 | 3,500円 |
梅毒 | 4,500円 |
HIV | 4,500円 |
のどクラミジア | 4,500円 |
のど淋菌 | 4,500円 |
マイコプラズマ+ウレアプラズマ | 8,900円 |
クラミジア
女性の90%以上はあまり症状がないと言われています。ただし症状を認めるケースもあり、おりものが増えたり、においがしたり、色のついたおりものになったり、不正出血や腹痛などがあります。
これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。
自覚症状を認める場合には、数日から3週間程度で異常を認めます。
性器クラミジア感染症は20~30分で結果が分かる即日検査が可能です。
1週間検査結果に時間を要するものと比べ90%以上の感度です。ほとんどの場合には問題となりませんが、万が一自覚症状が続く場合などは1週間結果に時間を要する検査をご検討ください。こちらは保険適用外となります。
クラミジア抗体は過去にクラミジアに感染したことがあるかどうかを調べる検査になります。
そのため現時点でクラミジアにかかっているかどうかを調べるには、抗体検査よりも核酸増幅法検査が有益となります。不妊症の分野ではクラミジア抗体の数値をみて、不妊症の原因を推測したりします。
ご自身も検査を受けましょう。
クラミジア感染症の90%以上の方は無症状です。
性交渉によるクラミジアの感染率は非常に高いため、パートナーの方が感染している場合、ご自身もクラミジアに感染している可能性が高いと考えられます。
まずは当院へご相談ください。
可能です。
当院では、男性の方もクラミジア検査を受けることができます。
パートナーの方と一緒に来院し、検査と治療を受けていただくことを推奨しています。
クラミジアは、男女どちらか一方が未治療であれば再び感染してしまう性感染症です。
そのため、一緒に検査を受け、治療されることをおすすめ致します。
ただし、男性お一人での受診はできませんので、ご注意ください。
淋菌
女性の50%はあまり症状がないと言われています。
ただし症状を認めるケースもあり、おりものが増えたり、悪臭を伴ったり、外陰部がかゆくなったり、不正出血、発熱や腹部の痛み、排尿痛や外尿道口からの排膿などがあります。
自覚症状を認める場合は、数日から1週間程度で異常を認めます。
性器淋菌感染症は20~30分で結果が分かる即日検査が可能です。
1週間検査結果に時間を要するものと比べ90%以上の感度です。ほとんどの場合には問題となりませんが、万が一自覚症状が続く場合などは1週間結果に時間を要する検査をご検討ください。こちらは保険適用外となります。
淋菌は基本的には性行為(オーラルセックスを含む)によって感染します。
ただし、浴場やタオルなど淋菌の長時間生息可能な環境を介した感染の報告もあり、水平感染が蔓延しないよう使うタオルを分けたり、お風呂は最後に入るなどの工夫を心がけましょう。
ご自身も検査を受けましょう。
淋菌感染症の50%の方は無症状です。
性交渉による淋菌の感染率は非常に高いため、パートナーの方が感染している場合、ご自身も淋菌に感染している可能性が高いと考えられます。
まずは当院へご相談ください。
可能です。
当院では、男性の方も淋菌検査を受けることができます。
パートナーの方と一緒に来院し、検査と治療を受けていただくことを推奨しています。
淋菌は、男女どちらか一方が未治療であれば再び感染してしまう性感染症です。
そのため、一緒に検査を受け、治療されることをおすすめ致します。
ただし、男性お一人での受診はできませんので、ご注意ください。
梅毒
性器周辺に痛みのない小さなしこりのようなものができたり、血行性・リンパ行性に全身に広がり、あらゆる臓器に急性・慢性の炎症を惹起し、全身性に様々な症状を引き起こします。これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。
潜伏期間は10~90日と言われています。そのため血液検査によるスクリーニング検査で異常を認めるには、少なくとも3週間以上は空けてからの検査が推奨されます。
50分程度で結果が分かる即日検査が可能です。
こちらは保険適用外となります。
ご自身も検査を受けましょう。性交渉による梅毒の感染率は高いため、パートナーの方が感染している場合、ご自身も梅毒に感染している可能性が高いと考えられます。まずは当院へご相談ください。