性器クラミジア感染症とは?

性器クラミジア感染症とは、性感染症の中で最も感染の多い病気です。
Chlamydia trachomatis(クラミジアトラコマティス)を病原体とする性感染症のことで、女性では腟やのどに感染し、男性では尿道やのどに感染します。

感染原因は?

感染原因は、クラミジアにかかっている人との性行為です。
近年では、オーラルセックス(口を使った性行為)による咽頭感染(のど)も多く、咽頭感染の場合は性器感染(腟)よりも難治性であることが知られています。

どんな症状があるの?

自覚症状を認める場合には、数日から3週間程度で異常を認めます。
性器感染した場合の症状としては、おりものが増えたり、悪臭を伴ったり、外陰部がかゆくなったり、不正出血がおこったり、腹痛などを認めます。
咽頭感染した場合の症状としては、のどの違和感などを認めます。
これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。

クラミジア感染の特徴とは?

クラミジア感染の特徴としては、自覚症状が乏しいということが挙げられます。
女性の90%以上は無症状であり、無治療のまま放置されることが多いとされています。そのため特に若い世代での感染が拡大しており、16歳~25歳の男女の5~6%が感染しているといわれています。

クラミジアと淋菌の両方に感染してしまっているケースが、およそ10~30%あると言われています。そのため、クラミジアと淋菌は同時に検査を行いましょう。

クラミジア感染が進行してしまったら?

気がつかないうちにクラミジアの感染が進行してしまうと、子宮内膜炎や卵管炎、骨盤腹膜炎や肝周囲炎にまで炎症が広がり重症化してしまうことがあります。この場合には、入院治療が必要になるケースもあります。重症化する前に、早期の検査と治療を心がけましょう。

クラミジア感染が放置されていると?

クラミジア感染が長期化すると、不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)の原因となってしまうことがあります。
これはクラミジア感染により、卵管や卵管周囲で炎症が起き、卵管内腔や卵管周囲に癒着が生じてしまい、卵管の中を精子や卵子が通れなくなるためです。そして受精できたとしても、卵管内腔の輸送機能が低下してしまい、うまく受精卵が子宮へ運ばれずに卵管内で着床してしまい異所性妊娠の原因となってしまいます。妊娠中のクラミジア感染では、流産や早産の原因となることがあり、産道感染により新生児肺炎や新生児結膜炎をきたしてしまう可能性があります。
不妊症や異所性妊娠(卵管妊娠)、流産や早産などの原因となってしまわないよう、早期の検査と治療を心がけましょう。

検査方法(性器の場合)

子宮頸管擦過検体を専用スワブで採取し、核酸増幅法により行います。
クラミジアの検出には、TMA法、核酸増幅法PCR法、SDA法等が推奨されています。
当院では、おりものを用いてTMA法により性器クラミジア感染の診断をしております。

当院では性器クラミジア感染に対して、「当日検査結果がわかる迅速検査」も行っております。
ご希望の方は当院の24時間WEB予約かお電話にてまずはご相談ください。

検査方法(のどの場合)

咽頭検体を採取し、核酸増幅法により行います。
クラミジアの検出には、TMA法やrealtime PCR法によるうがい液、SDA法やTMA法によるスワブ検体等が推奨されています。
当院ではうがい液を用いてTMA法によりクラミジア咽頭感染の診断をしております。なお咽頭検査には迅速検査はございませんので、あらかじめご了承ください。
※咽頭検査の1時間前から食事・飲水・歯磨きなどを控えていただく必要があります。

咽頭感染では、のどの違和感を認めることもありますが、多くは無症状です。そして、咽頭感染はオーラルセックスを介して新たな感染源となってしまうため治療が必要です。

クラミジア抗体検査とは?

クラミジア抗体検査とはクラミジアIgG抗体、IgA抗体を測定する検査のことです。
これまでにクラミジアに感染したことがあるかどうかを反映することができます。抗体は治療後も陽性が一定期間持続するため現行感染の診断や治癒判定には適していませんが、不妊症のスクリーニング検査として有用です。

治療方法

軽症であれば経口薬で治療が可能です。
経口抗菌薬であるアジスロマイシン、クラリスロマイシン、レボフロキサシン、シタフロキサシンによりほぼ確実に治療ができます。

当院での具体的な治療方法をお示しします。

  • 第1選択薬
    アジスロマイシン250mg
    1回4錠 1日1回 1日間内服
  • 第2選択薬
    レボフロキサシン500mg
    1回1錠 1日1回 7日間内服

    シタフロキサシン50mg
    1回1~2錠 1日2回 7日間内服

    クラリスロマイシン200mg
    1回1錠 1日2回 7日間内服


クラミジア感染症は早期であれば軽症のことが多く、1回の内服治療で完治することがほとんどです。おりもの異常や不正出血、腹痛などがあった際には、早期の検査と治療を心がけましょう。

骨盤腹膜炎や肝周囲炎のような強い腹痛を伴う重症例では、入院が必要なケースもあり、ミノサイクリンやアジスロマイシンによる点滴治療を数日間行うこととなります。

治癒判定方法

治療後2~3週間以上あけて治癒判定を行います。
陰性を確認できれば、治療終了となります。

パートナーの検査&治療

当院では、男性の方もクラミジア検査を受けることができます。
パートナーの方と一緒に来院し、検査と治療を受けていただくことを推奨しています。
クラミジアは、男女どちらか一方が未治療であれば再び感染してしまう性感染症です。
そのため、一緒に検査を受け、治療されることをおすすめ致します。

のど性病検査、即日性病検査、性病コース、各種性病検査について

「のど性病検査、即日性病検査、性病コース、各種性病検査」は予約なしで当日受診が可能です。 基本的に9:30-12:30/14:30-17:30であればご予約不要ですが、お日にちによっては受診可能時間が異なりますので、ホームページトップをご確認いただくか、お電話にてご確認ください。いずれも保険適用外となりますので、予めご了承ください。

【のど性病検査】

項目価格
のどクラミジア各4,500円
のど淋菌
※検査前1時間以内の飲食は避けてください

【即日性病検査が可能な項目】

項目価格
腟クラミジア各6,500円
腟淋菌
梅毒
HIV

【性病コース】

項目価格
Aコース
腟クラミジア+腟淋菌+トリコモナス+カンジダ+細菌培養
16,500円
Bコース
腟クラミジア+腟淋菌+トリコモナス+カンジダ+細菌培養+B型肝炎+C型肝炎+梅毒+HIV
23,500円
Cコース
腟クラミジア+腟淋菌+トリコモナス+カンジダ+細菌培養+B型肝炎+C型肝炎+梅毒+HIV+のどクラミジア+のど淋菌
29,500円

【各種性病検査】

項目価格
腟クラミジア4,500円
腟淋菌4,500円
トリコモナス4,500円
カンジダ+細菌培養2,800円
B型肝炎+C型肝炎3,500円
梅毒4,500円
HIV4,500円
のどクラミジア4,500円
のど淋菌4,500円
マイコプラズマ+ウレアプラズマ8,900円

性病コースに診察料はかかりません。

性病コースは各項目が割引価格のためお得なプランです。

性病コースでも、腟クラミジア・腟淋菌・梅毒・HIVを1項目につき2,500円で即日検査に変更可能です。

のど性病検査、即日性病検査、各種性病検査については、診察料(初診3,500円、再診1,600円)がかかります。上記はいずれも税別表記となります。

ここからはQ&Aで分かりやすく解説していきます。

Q1.性器クラミジアにかかるとどのような症状がありますか?

女性の90%以上はあまり症状がないと言われています。ただし症状を認めるケースもあり、おりものが増えたり、においがしたり、色のついたおりものになったり、不正出血や腹痛などがあります。
これらの症状がある方は、お早めに当院へご相談ください。

Q2.感染してからどのくらいで症状がでますか?

自覚症状を認める場合には、数日から3週間程度で異常を認めます。

Q3.感染しているか心配ですぐに検査結果を知ることはできますか?

性器クラミジア感染症は20~30分で結果が分かる即日検査が可能です。

1週間検査結果に時間を要するものと比べ90%以上の感度です。ほとんどの場合には問題となりませんが、万が一自覚症状が続く場合などは1週間結果に時間を要する検査をご検討ください。こちらは保険適用外となります。

Q4.クラミジア抗体はどのような検査意義がありますか?

クラミジア抗体は過去にクラミジアに感染したことがあるかどうかを調べる検査になります。
そのため現時点でクラミジアにかかっているかどうかを調べるには、抗体検査よりも核酸増幅法検査が有益となります。不妊症の分野ではクラミジア抗体の数値をみて、不妊症の原因を推測したりします。

Q5.彼氏がクラミジアと診断されました。私は症状がないのですが、検査は必要ですか?

ご自身も検査を受けましょう。
クラミジア感染症の90%以上の方は無症状です。
性交渉によるクラミジアの感染率は非常に高いため、パートナーの方が感染している場合、ご自身もクラミジアに感染している可能性が高いと考えられます。
まずは当院へご相談ください。

Q6.彼氏と一緒に検査を受けることはできますか?

可能です。
当院では、男性の方もクラミジア検査を受けることができます。
パートナーの方と一緒に来院し、検査と治療を受けていただくことを推奨しています。
クラミジアは、男女どちらか一方が未治療であれば再び感染してしまう性感染症です。
そのため、一緒に検査を受け、治療されることをおすすめ致します。
ただし、男性お一人での受診はできませんので、ご注意ください。