子宮頸がん検診とは?

子宮頸がん検診とは、20歳を過ぎたら2年に1回の検診が推奨されている子宮頸がんのスクリーニング検査のことをいいます。
現在日本では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約2800人の方が死亡しています。さらに2000年以降、子宮頸がんにかかっている方は増加の一途をたどっています。

検査方法

柔らかいブラシの様なもので擦り、子宮頸部の扁平上皮-円柱上皮境界(Squamo-columnar Junction:SCJ)領域(=子宮の入り口部分)を中心に細胞を採取します。痛みはほとんどありません。標本作成方法には直接塗抹法(従来法)と液状検体法(LBC:liquid-based cytology)があります。LBC法は従来法の弱点である細胞の空気乾燥、固定不良による細胞変性を防止できるため、より精度の高い検査が可能になると複数の分析疫学的研究で明らかにされています。

妊娠女性やその可能性のある女性に対しては、綿棒を使用した細胞採取を行います。
デメリットとしては異型細胞検出率の低下および不適正標本の増加が指摘されていますが、ブラシでは出血を来たし易いという点があり、侵襲の少ない綿棒採取が日本のほとんどの施設で行われています。

子宮頸がんの症状は?

子宮頸がんは通常、早期にはほとんど自覚症状はありません。進行すると異常なおりもの、不正出血、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。

検診の結果について

子宮頸がん検診(=細胞診)の結果は「NILM」が正常で、それ以外は異常が疑われるという意味になります。ASC-USの場合は、ハイリスクHPV(子宮頸がんの原因となるHPV:16型、18型、31型、35型、39型、45型、51型、52型、56型、58型、59型、66型、68型)が存在しているかどうかを調べ、陽性であればLSIL(軽度異形成疑い)と同様に分類し、精密検査(生検による病理組織検査)を行うことになります。陰性であれば1年後に細胞診の再検査を行うことになります。

  • 正常:NILM
  • グレーゾーン:ASC-US
  • 異常:LSIL、ASC-H、HSIL、SCC、AGC、AIS、Adenocarcinoma、その他の悪性腫瘍

※ASC-USは意義不明な異型扁平上皮細胞と呼ばれ、正常ではありませんが、LSILの診断基準を満たすほどの所見ではなく、正常なのか異常なのかはっきりと判断がつかないグレーゾーンの所見です。

当院では、精密検査である「生検による病理組織検査」を行っております。
診察をご希望の方は当院の24時間WEB予約かお電話にてまずはご相談ください。

推定される病理診断

下記の結果はすべて異常を疑う所見になりますので、精密検査(生検による病理組織検査)を受ける必要があります。子宮頸がん検診はあくまでもスクリーニング検査であり、それだけでは診断がつきません。精密検査の結果次第では、細胞診の予想よりも異常が軽度で経過観察となったり、逆に異常が高度でさらなる検査や治療が必要になることもあります。
もし検診で異常を認めた場合は、必ず精密検査を受けましょう。

  • LSIL:HPV感染ならびに軽度異形成
  • ASC-H:高度扁平上皮内病変疑い
  • HSIL:中等度~高度異形成ならびに上皮内癌
  • SCC:扁平上皮癌
  • AGC:腺異型または腺癌疑い
  • AIS:上皮内腺癌
  • Adenocarcinoma:腺癌

ここからはQ&Aで分かりやすく解説していきます。

Q1.検査は痛いですか?

通常、検査自体にほとんど痛みはありません
もし痛みを感じることがあるとすれば、クスコ(膣内を診察するために入れる器械)を入れる際に痛みを感じるケースがほとんどだと思われます。そのため診察をする際には、あらかじめ温められたクスコを使うこと、潤滑剤を適量つけること、患者様の腟の大きさにあったサイズのクスコを使うこと、そして安心していただけるようしっかりと声掛けをすることが大事だと考えております。経験上このような工夫や心構えにより、ほとんどの患者様でスムーズに検査を受けていただけると思っております。

Q2.検査後に出血がありましたが、大丈夫ですか?

大丈夫です。柔らかいブラシで擦って細胞を採取していますが、時折血が滲む方もいらっしゃいます。この場合2、3日程ピンク色~茶色のおりものが続くことがありますが、自然に治るため心配はいりません。また妊婦の方はこのような出血がないようにするため、ブラシではなく綿棒で擦って細胞を採取することになっております。

Q3.精密検査とはどのようなものですか?

拡大鏡を使って病変部位を観察し、子宮頸部の組織を生検し、病理組織検査を行います。これにより診断がつきます。診断結果によって経過観察となったり、さらに追加の検査や治療が必要になることもあります。

Q4.子宮頸がん検診で異常があったらがんですか?

子宮頸がん検診はあくまでもスクリーニング検査であり、それだけでは診断がつきません。もし異常を認めた場合は、病理組織検査を行う必要があります。病理組織検査の結果次第では、細胞診の予想よりも異常が軽度で経過観察となったり、逆に異常が高度でさらなる検査や治療が必要になることもあります。そのため、まずは適切な検査の流れを受けることが重要です。検診で異常を認めた場合、誰しもが不安になるものだと思いますが、検診(細胞診)の結果のみで必要以上に心配されず、医師の判断のもとで必要な検査をしっかりと受けていきましょう。