子宮頸部レーザー蒸散術

子宮頸部レーザー蒸散術とは、子宮頸がんの一歩手前である「子宮頸部異形成」の治療法のひとつです。子宮頸部の細胞がHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで、正常な細胞が少しずつ異形化されていきます(子宮頸部異形成)。
上皮内の異形成割合が軽度・中等度のうち、約半数は1~2年で自然に治癒して正常細胞に戻ります。一方で、長い年月をかけて高度異形成や子宮頸がんに進行していくケースもみられます。

子宮頸部レーザー蒸散術は、自然治癒しにくい子宮頸部異形成に対して、高度異形成・がんに進行する前に、レーザーで病変を蒸散する(≒焼いて消滅させる)治療法です。
子宮頸部レーザー蒸散術は、円錐切除手術と異なり、体への負担が少なく、術後の子宮頸部の変形がないため、流産・早産リスクとなりません。さらに、痛みなく短時間で済むので、外来での日帰り手術が可能です。

当院での子宮頸部レーザー蒸散術の適応は、CIN2(中等度異形成)の方でなかなか自然治癒しない場合、HPV16・18・31・33・35・45・52・58 のいずれかが陽性である場合、患者さまのご希望がある場合、継続的な受診が困難な場合、となります。

子宮頸部異形成を指摘されていて、将来の妊娠をご希望されている方は、当院までお気軽にご相談ください。

子宮頸がん検診で異常が認められたら?

子宮頸がんの早期発見には、子宮頸がん検診を定期的に受けることが最も重要です。

一般的に行われている子宮頸がん検診では、子宮の入り口の細胞を採取して、顕微鏡で細胞の形を調べる「細胞診」を行っており、スクリーニング(ふるい分け)として機能しています。
子宮頸がん検診でNILM(正常)以外の所見が認められた場合、2次検査を受けて、治療が必要な状態かどうかを確認する必要があります。

子宮頸がん検診の結果の見方

これまで日本における検査結果は「クラス分類」によるⅠ~Ⅴの5段階評価にて表されていましたが、2008年より国際標準である「ベセスダ分類」での表記もしくは併用表記に変更されています。
ベセスダ分類では、細胞所見や形態学的な所見が反映されて、推定病変が判定されるようになっています。

子宮頸がん検診でNILM(正常)以外の所見とは、「HPV感染によって細胞の形が正常ではない状態のこと」を意味します。

ベセスダ分類
表記
判定クラス分類
表記
NILM正常細胞Ⅰ Ⅱ
ASC-US軽度扁平上皮内病変疑いⅡ-Ⅲa
LSILHPV感染・
軽度異形成疑い
Ⅲa
ASC-H高度扁平上皮内病変疑いⅢa-Ⅲb
HSIL中等度異形成・
高度異形成・
上皮内癌疑い
Ⅲa Ⅲb Ⅳ
SCC扁平上皮癌
AGC腺異型・腺癌疑い
AIS上皮内腺癌
Adenocarcinoma腺癌
(図)ベセスダ分類とクラス分類の結果の見方

子宮頸がん検診後の2次検査

子宮頸がん検診でNILM(正常)以外の所見があった場合、2次検査(精密検査)として次のような検査を行います。

HPV検査

検診結果が「ASC-US」となった方のみに行う検査です。「ASC-US」は細胞の形が正常ではありませんが、異形成と判断するには異形が少ないというグレーゾーンの所見です。検診結果を見て「怖い病気かもしれない……」と不安に思われる方も多いのですが、ASC-USは「がん」を疑われているのではなく、「異形成」が疑われている状態です。そのため、HPV検査でのハイリスク型HPVの感染有無により、さらに詳しい検査が必要となるかどうかを判断します。

【検査対象】ASC-US
【検査目的】「ハイリスク型HPV*1」の感染有無を調べます
*1 ハイリスク型HPV:がんに進展する可能性のあるHPV。
 ハイリスク型HPVの詳しい説明は、「子宮頸部異形成の原因」をご確認ください。
【検査方法】子宮の入り口から細胞を採取して、専用の検査機器により判定します
【結果判明】約7日~10日後

  • 陽性(+)……「腫瘍性病変」と捉え、精密検査(組織診)を行います
  • 陰性(-)……「非腫瘍性病変」と捉え、半年~1年後に細胞診の再検査を行います
組織診(コルポ診+組織採取)

子宮頸がん検診で細胞の形に異常が認められた場合、どの程度の異常かを調べます。
コルポスコピー(拡大鏡)で病変の広がりなどを観察してから組織を採取して調べるので、異形成の程度や疾患の確定診断が可能です。
※組織診ではわずかに出血がありますので、ナプキンのご持参をお願いしています。必要の際には当院でも内診時にお渡しいたします。

【検査対象】 LSIL・HSIL・ASC-H・SCC・AGC・AIS・Adenocarcinomaの場合
【検査目的】病変(子宮頸部異形成・扁平上皮癌・腺癌など)の確定診断
【検査方法】
①子宮の入り口に3%酢酸を染み込ませた綿球を数十秒押し当てます
②病変部分は白くなるため、コルポスコピー(拡大鏡)で病変がどこまで広がっているかなどを確認します
③病変部分の組織(米粒の1/3程度の塊)を数か所採取して、調べます
【結果判明】約7日~10日後 

※なお、細胞診の結果がSCC・AGC・AIS・Adenocarcinomaの場合には、より詳しい検査や治療が必要となるため、高次医療機関へご紹介させていただきます。

子宮頸部異形成とは?

子宮頸部異形成は、「子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)」とも呼ばれます。癌(悪性腫瘍)ではありませんが、子宮頸癌の「前癌状態」とされており、子宮頸部異形成が数年間持続すると、子宮頸癌に進行することがあります。
そのため、子宮頸部異形成の段階で治療を行うことで、子宮頸癌への進行を防ぐことができます。

子宮頸部異形成の原因

子宮頸部異形成の原因は、子宮頸部のHPV感染です。
子宮頸部の細胞がHPV感染することで、細胞が正常とは異なる形となります。

とはいえ、HPVはありふれたウイルスであり、性交渉の経験のある女性の約50%~80%はHPVに感染していると推計されています*2
*2(参考)子宮頸がんとHPV|日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

また、HPVの遺伝子型(タイプ)は100種類以上ありますが、多くの型では感染しても免疫によって排除されるため、1年~2年の間に自然と正常な細胞に戻ります。
ただし、次の13種類のHPVは子宮頸がんを発症しやすい「ハイリスク型」とされています。

HPV16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68

中でもHPV16、18、31、33、35、52、58は、特に自然消滅しにくく、異形成の進行リスクが高い型であることが分かっています*3
*3(参考)産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2020 P.71|日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2020.pdf

子宮頸部異形成の分類と治療の必要性

子宮頸部異形成は細胞異形を起こした程度によって、次のような3つに分類されます。

軽度異形成(CIN1)

上皮内の異形細胞が1/3程度の状態です。約50~60%は1年~2年の間に自然消失して正常細胞に戻ります。約30%はそのまま変化せず、約10%が高度異形成以上に進行するとされています。

(図)軽度異形成(CIN1)のイメージ
【方針】経過観察および定期検診

当院ではCIN1が確定した方に対し、ハイリスク型HPVの感染および型判定が可能な「HPVタイピング検査」を行っております。ハイリスクHPVの感染有無によって、その後の定期検査の間隔(6か月~1年)を決定しています。
※HPVタイピング検査の詳しい説明は、「子宮頸部異形成の検査・診断方法」をご確認ください

中等度異形成(CIN2)

上皮内の異形細胞が2/3以内の状態です。約40%は自然に正常細胞に戻りますが、約40%はそのまま変化せず、約20%が高度異形成以上に進行するとされています。

中等度異形成(CIN2)のイメージ
【方針】経過観察・定期検診あるいは子宮頸部レーザー蒸散術

基本的には経過観察・定期検診にてフォローを行いますが、下記の条件を満たした方に対しては、子宮頸部レーザー蒸散術の治療が可能です。

  1. なかなか自然治癒しない場合
  2. 検査でHPV16、18、31、33、35、45、52、58 のいずれかが陽性の場合
  3. 患者さまのご希望がある場合
  4. 継続的な受診が困難な場合
    ※子宮頸部レーザー蒸散術の詳しい説明は、「子宮頸部異形成の治療法」をご確認ください

CIN2が確定した方に対しては、ハイリスク型HPVの感染および型判定が可能な「HPVタイピング検査」を行っております。ハイリスクHPVの感染有無によって、その後の定期検査の間隔(3か月~6か月)を決定しています。
※HPVタイピング検査の詳しい説明は、「子宮頸部異形成の検査・診断方法」をご確認ください

高度異形成(CIN3)・子宮頸部上皮内癌

上皮内の異形細胞が2/3以上の状態を「高度異形成」、上皮全層に異形細胞がみられる場合を「上皮内癌」と定義しています。約30~60%が軽度・中等度異形成に退縮しますが、約10%は浸潤癌に進行するとされます。

高度異形成(CIN3)では、上皮内細胞の2/3以上が異形細胞となります。
上皮内癌では、上皮全層が異形細胞となります。
(図)高度異形成(CIN3)・上皮内癌のイメージ
上皮内癌がさらに進行すると、周囲の組織に入り込んだ「浸潤癌」となります。
(図)浸潤癌のイメージ
【方針】手術(円錐切除手術・レーザー蒸散術)

CIN3でも病変の全範囲がコルポスコピー(拡大鏡)で確認でき、病変に癌の可能性がなければ、レーザー蒸散術による手術は可能とされています。
しかし、CIN3には「癌」の可能性が含まれるため、当院では病変を用いた病理診断が可能な「円錐切除手術」による治療が望ましいと考えています。
そのため、当院ではCIN3が確定した場合、円錐切除術が行える高次医療機関へのご紹介をさせていただきます。

子宮頸部異形成の検査

組織診によって、軽度異形成(CIN1)または中等度異形成(CIN2)が確定した後、当院では「HPVタイピング検査」を行います。
※CIN3はタイピング検査の対象外です。

HPVタイピング検査はHPVの感染有無だけでなく、ハイリスクHPVの型を特定することができるため、結果を基に今後の検査間隔を決定します。
結果判明には、約2週間かかります。

なお、海外では子宮頸がん検診(細胞診)に加えて、HPVタイピング検査を同時に行う検診方法を推奨している国が多くあります。
当院では、ブライダルチェック(レディースドック)のオプションとして、自費にてハイリスクHPV検査(8,250円・税込)を追加することも可能です。お気軽にご相談ください。

子宮頸部異形成の治療法

子宮頸部異形成の治療法には、主に「切除手術」と「蒸散術」の2種類があります。

円錐切除手術

子宮頸部の病変部を一律円錐型に切り抜く方法です。がんの疑いが少しでもあれば、切除手術が必要となります。

メリット:切除した標本から確実な病理診断が可能、治癒率が高い
デメリット:円錐型に切り抜くことで子宮頸管が短くなり、流産・切迫早産リスクがやや高まる、多くの病院で入院(2~3日)が必要

子宮頸部を病変から円錐型に切除します。
切除後は、子宮頸管がやや短くなります。
(図)円錐切除手術イメージ
レーザー蒸散術

レーザー光線の熱で病変を円板状に蒸散する(焼き飛ばす)方法です。
病変部のみをレーザーの熱で焼き払うため、子宮頸管は短くならないので、切迫早産のリスクにはなりません。

メリット:出血が少ないなど身体の負担を抑えた低侵襲な手術、子宮頸管が短くならないので早産リスクがない、外来での日帰り手術が可能、短時間な手術時間(5分程度)
デメリット:病変を使った病理診断が行えない

病変部分だけを蒸散するので、子宮頸管の長さに影響はほとんどありません。
(図)子宮頸部レーザー蒸散術イメージ

当院の子宮頸部レーザー蒸散術について

当院の子宮頸部レーザー蒸散術の適応対象

当院では次に該当する方に対して、レーザー蒸散術を行っています。

  • フォローを行っていても、なかなか自然治癒しない方
  • HPV16・18・31・33・35・45・52・58のいずれかが陽性の方
  • レーザー蒸散術をご希望の方
  • 継続的な受診が困難な方

ただし、レーザー蒸散術の適応となるかは、実際に患者さまの状態を確認してみないと分かりません。問診・内診などから総合的に判断して、レーザー蒸散術を行っています。

当院の子宮頸部レーザー蒸散術の特徴

  1. 患者さまに検査結果を分かりやすく丁寧に説明
    当院では、患者さまに子宮頸がん検診や前がん病変の検査結果を分かりやすく、丁寧にご説明させていただいております。患者さまがご自身の状態をしっかりと理解していただいた上で、一緒に治療を行っていきます。
  2. 院内安静不要、治療後すぐ帰宅可能
    当院の子宮頸部レーザー蒸散術による手術時間は5分以内と、非常に短時間で終了します。体への負担が少ないため、術後の院内安静は不要です。治療終了後にすぐご帰宅可能です。
  3. 痛みを抑えるための対策
    当院では痛み対策として、手術30分前に痛み止めのお薬(ロキソニン)の内服をしていただいております。
    ※ロキソニン成分にアレルギーをお持ちの場合には、カロナール(アセトアミノフェン)の内服となります。

子宮頸部レーザー蒸散術の費用

子宮頸部レーザー蒸散術では、健康保険が適用されます。
3割負担で約12,000円です。
※上記費用に初診料・再診料などは含まれておりません。

子宮頸部レーザー蒸散術の注意点

  • 術後、水っぽいおりものや出血などの合併症が現れることがあります
    術後3~4週間は水っぽいおりもの(滲出液)がみられます。なお、出血まではいかなくとも茶褐色~淡紅色のおりものとなることが多いです。
    また、蒸散部分は「かさぶた」となって止血された状態となり、4日~7週間後に剥がれて出血することがあります。出血しても少量であれば心配はなく、経過観察をしてください。
  • 無理な腹圧をかけると、不正性器出血の原因になります
    術後しばらくは、無理な腹圧をかけないようご注意ください。
    例えば、トイレなどで無理に力んだりすると、新しくできた上皮が剥がれてしまい、出血しやすくなります。
    自然に排便できるよう、食生活など上手に調整しましょう。もし、便が出にくい状態が続くときにはお気軽にご相談ください。
    なお、時間経過とともに上皮のはがれやすくなる状態は落ち着いてきます。
  • ごくまれに子宮頸管が短くなることがあります
    子宮頸部の傷が治る過程で、まれに子宮頸管が短くなることがあります。ただし、円錐切除手術と比べて、頻度は極めて少ないです。
    子宮頸管が短くなると、今まで生理痛がなかった方も生理痛を感じるようになることがあります。ごくまれに頸管閉塞(子宮頸管が完全に塞がること)を起こすと、再開通手術が必要となります。
    なお、蒸散術直後にお腹の違和感や軽い痛みを感じる場合がありますが、時間経過とともに軽快していきます。

子宮頸部レーザー蒸散術の流れ

① 【初診時】問診・診察(内診)

子宮頸がん検診の細胞診で正常以外の所見だった場合、精密検査を行います。
問診表にご記入いただき、その内容を基に医師による診察および検査を行います。
診察では、次のような検査(内診)を行います。

  • 組織診
    子宮の入り口の組織を少し採取します。顕微鏡でさらに詳しく病理組織学的観点から調べます。(結果判明:約10日後)
  • HPV検査
    検診結果が「ASC-US」だった方のみ実施する検査で、子宮の入り口の組織を採取して、子宮頸がんの発症リスクの高いHPVの型かどうかを調べます。(結果判明:約10日後)

異形成の進行度や治療方針などについて、詳しく説明させていただきます。

② 【2回目ご来院】検査結果および今後の治療方針のご説明

前回行った検査内容の結果および今後の治療方針について、分かりやすく丁寧にご説明します。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

  • HPV検査の結果判明
    検査結果および今後の治療方針・検診間隔をご説明します。
    HPV検査が陽性の場合には、「組織診」を行います。
  • 組織診の結果判明
    検査結果および今後の治療方針・検診間隔などをご説明します。
    事前診察および検査結果により、子宮頸部レーザー蒸散術が適応と判断された場合には、施術日をご予約ください。

③ 【3回目ご来院】子宮頸部レーザー蒸散術の施術

外来にてレーザー蒸散術を行います。

病変部をレーザー蒸散し、異形成を除去します。
当院では手術の30分前に痛み止めのお薬を服用していただいてから、手術を行います。(手術時間:約5分)

なお、蒸散した部分の組織が再生する約4~6か月間は、水っぽいおりものが増えたり、少量の出血がみられたりすることがありますが、時間経過とともに改善していくので心配ありません。ただし、出血量が異常に多い(生理2日目以上)など、何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

④ ご精算

受付にてご精算をお願いします(現金のみ)。
また、感染予防のため、抗生物質(3日分)を処方しております。

⑤ 定期検診

レーザー蒸散術から1週間後に経過観察を行いますので、ご来院ください。
その後は、1か月後、3か月後に受診していただきます。

レーザー蒸散術後の定期検診はとても大切です。必ず受診しましょう。
何か気になることがありましたら、検診日を待たずに早めにご連絡ください。

まとめ

近年、我が国では20代~30代の若い女性のHPV感染が増えており、「子宮頸部異形成」も同様に急増しています。
子宮頸部異形成の約半数は自然消失しますが、中には長い年月をかけて、浸潤癌に進行して「子宮頸癌」に移行することもあります。
そのため、子宮頸癌の前段階である「子宮頸部異形成」のうちに治療して、子宮頸癌への進行を防ぎましょう。

当院では、中等度異形成(CIN2)が続いている方に対して「レーザー蒸散術」を行っております。
レーザー蒸散術は保険適用にて手術が行える上、低侵襲でかつ治癒効果の高い手術となります。さらに「円錐切除手術」ではデメリットとなっていた子宮頸管の短縮が起こらないので、切迫早産・流産のリスクにならず、将来の妊娠を希望する方にとって、特におすすめしたい治療法です。

また、当院では患者さまに対し、子宮頸がん検診や精密検査などの結果について、分かりやすく丁寧にご説明するよう心がけております。患者さまがご自身の子宮頸部異形成について、きちんとご理解いただいてから、一緒に治療を進めていくよう努めて参りますので、安心してご来院ください。

中等度異形成(CIN2)が持続している方、度重なる検査や経過観察が続いて不安をお持ちの方などレーザー蒸散術に関心がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

ここからはQ&Aで分かりやすく解説していきます。

Q1.子宮頸部レーザー蒸散術を行えない人はいますか?

当院では、次のようなケースに一つでも当てはまる方は、原則的に子宮頸部レーザー蒸散術を行っておりません。

  • 高度異形成(CIN3)または上皮内がんの方
    わずかな浸潤癌が含まれている場合があるため、術後の組織標本を得られないレーザー蒸散術は適応としておりません。
  • 現在妊娠中または妊娠の可能性がある方
    妊娠されている場合には原則的に治療は行わず、経過観察とします。

Q2.子宮頸部レーザー蒸散術後の日常生活について、教えてください。

  • お風呂
    術後当日からシャワー浴はOKです。また術後出血がほとんどなければ、お風呂に入っていただいても問題ありません。ご心配な方は、術後検診時まではシャワーのみとしてください。体の洗い方は今まで通りで構いません。
  • 運動
    激しい運動は術後検診日までは避けてください。
  • 性交
    蒸散部の傷が治るまでには約4~6週間かかります。次回検診日に傷跡を確認しますので、許可が出るまでは性交を避けてください。
    ※2か月後くらいが目安です

Q3.子宮頸部レーザー蒸散術後、いつから妊娠のタイミングを取ってよいのでしょうか?

蒸散術後の傷の治癒には約4~6週間はかかります。術後の経過をみて妊娠のタイミングを取り始めることをおすすめします。