PMSとは?
(月経前症候群)

PMS(月経前症候群)とは、月経前3~10日間の黄体後期に発症する多種多様な精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減弱あるいは消失するものとされます。

原因

現在においても未だ原因の詳細は不明ですが、黄体ホルモン代謝物(Allopregnanolone)に対するGABAAレセプター、セロトニン作働性ニューロンの感受性との関連が報告されています。

頻度

生殖年齢女性の約70~80%が月経前に何らかの症状を有するといわれています。社会生活困難を伴うPMSの頻度は5.4%、PMDD(精神症状が主体で強い場合には月経前不快気分障害と呼びます)の頻度は1.2%と報告されています。PMS、PMDDは幅広い年齢で発症し、日本では思春期にやや多く、BMI>27.5でその頻度は上がります。

PMSの症状

主に月経開始直前のホルモン状態に起因する身体的症状(下腹部膨満感、疲労感、腰痛、頭痛、浮腫、乳房緊満感・腫脹など)と、精神症状(気分の変動、易怒性、抑うつ気分など)がみられます。その他にも、不安、関節痛・筋肉痛、体重増加、四肢の腫脹・浮腫などがあります。ほとんどの月経周期において、月経開始前最終週に症状が認められ、月経開始数日以内に軽快し始め、月経終了後の週には最小限になるか消失します。これらの症状でお悩みの方は、ひとりで悩まずに、まずはご相談ください。

  • 著しい感情の不安定性
    (例:気分変動:突然悲しくなる,または涙もろくなる,または拒絶に対する敏感さの亢進)   
  • 著しい抑うつ気分、絶望感、または自己批判的思考
  • 著しい不安、緊張、および/または“高ぶっている”とか“いらだっている”という感覚
  • 通常の活動(例:仕事、学校、友人、趣味)における興味の減退
  • 集中困難の自覚
  • 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
  • 食欲の著しい変化、過食、または特定の食物への渇望
  • 過眠または不眠
  • 圧倒される、または制御不能という感じ
  • 他の身体症状、例えば、乳房の圧痛または腫脹、関節痛または筋肉痛、“膨らんでいる”感覚、体重増加
  • 症状は、臨床的に意味のある苦痛をもたらしたり、仕事、学校、通常の社会活動または他者との関係を妨げたりする(例:社会活動の回避;仕事、学校、または家庭における生産性や能率の低下)
  • この障害は、他の障害、例えばうつ病、パニック症、持続性抑うつ障害(気分変調症)、またはパーソナリティ障害の単なる症状の増悪ではない(これらの障害はいずれも併存する可能性はあります)

治療方法

低用量ピルの内服や黄体ホルモン製剤が症状の改善に適しています。低用量ピルの選択には様々な種類があり、さらにお困りの症状に合わせた漢方薬の処方を行うこともあります。PMDDの方では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)の併用を行うこともあります。またアルコール摂取を控えていただいたり、禁煙、規則正しい睡眠や生活、適度な運動も症状の改善に効果的です。

当院では、患者様にあった最適な治療方法を選択し、一緒に症状の改善を目指します。
診察をご希望の方は、当院の24時間WEB予約かお電話にてまずはご相談ください。

ここからはQ&Aで分かりやすく解説していきます。

Q1.PMSとはどのような疾患ですか?

PMS(月経前症候群)とは、月経前3~10日間の黄体後期に発症する多種多様な精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減弱あるいは消失するものとされます。

Q2.どのような症状がありますか?

主に月経開始直前のホルモン状態に起因する身体的症状(下腹部膨満感、疲労感、腰痛、頭痛、浮腫、乳房緊満感・腫脹など)と、精神症状(気分の変動、易怒性、抑うつ気分など)がみられます。その他にも、不安、関節痛・筋肉痛、体重増加、四肢の腫脹・浮腫などがあります。これらの症状でお悩みの方は、ひとりで悩まずに、まずはご相談ください。

Q3.治療にはどのようなものがありますか?

低用量ピルの内服や黄体ホルモン製剤が症状の改善に適しています。さらにお困りの症状に合わせた漢方薬の処方を行うこともあります。PMDDの方では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)の併用を行うこともあります。またアルコール摂取を控えていただいたり、禁煙、規則正しい睡眠や生活、適度な運動も症状の改善に効果的です。