妊娠の確認・妊婦健診
当院では、妊娠の可能性がある方に対して、妊娠の確認をおこなっております。
妊娠の確認には「尿による妊娠検査薬」と「超音波検査による胎嚢の確認」があります。それぞれの検査の特性や、確認できる時期には違いがあります。
「妊娠したかも?」という方は、お気軽に当院までご相談ください。
妊娠週数の数え方は?
WHOによる妊娠週数の数え方は「最終月経開始日を起点」にしています。
つまり、最終月経開始日を「0週0日」として計算します。
例えば…
1月1日が最終月経開始日(0週0日)であった場合
1月29日が4週0日となります。
このようにすると、ご自身でも妊娠週数を知ることができます。
ただし、この計算方法は月経周期が28日であることを前提に計算しています。
実際には月経周期が不順な方もいれば、普段月経周期が28日の方でも様々な要因で排卵日がずれることはよくあります。
そのため、最終月経からの計算のみでは正しい妊娠週数を知ることはできません。
あくまでも最終月経による妊娠週数は、大まかな週数であるということになります。
尿による妊娠検査薬について
妊娠の確認は、ご自宅の尿検査で調べることができます。
市販されている妊娠検査薬では、尿中のhCGというホルモンを検出し妊娠の判定を行っています。
このhCGというホルモンは、妊娠4週頃から尿中に現れ、通常非妊娠時や男性においては産生されません。そのことを利用して妊娠しているかどうかを調べています。
生理予定日から1週間経過した頃に検査しましょう
どのタイミングで妊娠検査薬を使用すればよいのでしょうか?
それは、生理予定日から1週間経過した頃に行うのが良い検査のタイミングです。
この時期になると、妊娠している場合には妊娠検査薬が陽性を示します。
それよりも早いタイミングでは、正常に妊娠をしている場合でも陽性とならないことがあり、注意が必要です。
もし早いタイミングで妊娠検査薬を行い陰性であった場合には、数日~1週間程度たってから再度妊娠検査薬を使って調べてみましょう。
妊娠検査薬で陽性が出たら
病院を受診し、超音波検査を受けましょう。
妊娠検査薬の精度は99%以上と言われています。
そのため妊娠検査薬が陽性であれば、ほぼ間違いなく妊娠しています。
ただし、これだけでは正常な妊娠であるかどうかは分かりません。
子宮の中に妊娠していることを確かめましょう
超音波検査で子宮の中に胎嚢という「赤ちゃんの袋」があることを確認することが必要です。
通常、妊娠4週~5週頃には胎嚢を確認することができます。
遅くとも妊娠6週までには確認できるようになります。
子宮の中に胎嚢が確認できない場合は?
もし妊娠6週を過ぎても子宮の中に胎嚢が確認できない場合は、異所性妊娠の可能性があります。
異所性妊娠とは子宮外妊娠とも呼ばれ、受精卵が子宮内膜以外(子宮の外)に着床した妊娠のことです。着床した部位によって、卵管妊娠、卵巣妊娠などと呼ばれます。
異所性妊娠では、大きくなった胎嚢が破裂し腹腔内に大量出血をきたし、緊急手術が必要になる場合があり、とても危険な状態です。
そのため、異所性妊娠の可能性がある場合には高次医療機関への紹介が必要となります。
胎嚢確認後に見えてくるもの
超音波検査で子宮の中に胎嚢を確認できれば、まずは正常な位置に着床したことになります。
次に見えてくるのは卵黄嚢、胎芽、心拍です。
これらの確認ができれば、順調に妊娠が継続していることになります。
- 卵黄嚢の確認
胎嚢が確認できた後には、卵黄嚢といって白っぽいリング状のものが見えてきます。
卵黄嚢の役割は胎芽に栄養を送るための栄養源となるものです。 - 胎芽の確認
胎芽といって卵黄嚢と接するように白い塊のようなものが見えてきます。
胎芽とは赤ちゃんのことです。
妊娠8週目までは正式には胎芽と呼ばれ、妊娠9週以降になると胎児と呼ばれるようになります。 - 心拍の確認
心拍は一般的には妊娠5週~6週頃に確認できるようになります。
ただし、排卵日が予定よりも遅く、妊娠が成立した日が遅い場合には、最終月経から計算した妊娠週数よりも実際にはまだ妊娠が進んでいない場合があります。
そのため妊娠5週~6週頃になっても心拍が確認できない場合には、1~2週間以内の間隔を空けて再度検査を行います。
妊娠8週を超えると分娩予定日が決まります
胎児の頭殿長(頭からおしりまでの長さ)が14mm以上になると妊娠8週以上ということになります。
分娩予定日はこの時期から計測できるようになり、実際の妊娠週数を最も良く反映するとされています。
なお、頭殿長が14mm未満の時期は正確な妊娠週数を計測することはできず、あくまでも最終月経日からの暫定的な妊娠週数ということになります。
母子健康手帳をもらうタイミング
妊娠がわかったら、妊娠届出書を提出し母子健康手帳の交付を受けましょう。
母子健康手帳は既婚や未婚に関係なく、誰でも無償でもらうことができます。
一般的には、心拍確認後の妊娠6週~10週頃に受け取られる方が多いです。
また母子健康手帳の中には、妊婦健康診査費助成券というものが同封してあります。
これは妊婦健診にかかる費用などを助成してくれるものです。
姫路市では申請をすればタクシーを利用する時に使えるクーポン券も受け取ることができます。
期間をさかのぼって精算することができないため、遅くとも妊娠11週までには母子健康手帳を受け取りに行きましょう。
まとめ
妊娠は、人生の中で最も大きな出来事のひとつです。様々な不安や期待を持たれていることだと思います。
当院では、そういったお気持ちに寄り添いながら診察をさせていただきます。
ひとりで悩まずに、どんなことでもお気軽にご相談ください。
診察をご希望の方は、当院の24時間WEB予約かお電話にてご予約ください。
ここからはQ&Aで分かりやすく解説していきます。
Q1.生理が遅れています。妊娠検査薬はいつから使用できますか?
妊娠検査薬は、早ければ生理予定日頃から陽性となります。
ただし早すぎる妊娠検査薬の使用では、本当は妊娠をしていても尿中のhCGというホルモンを検出できずに陰性と判定される場合があります。
そのため、生理予定日から1週間経過した頃に行うのが良い検査のタイミングです。
Q2.もしも心拍が確認できない場合には?
心拍が確認できない場合には、2つの可能性があります。
1つは最終月経から計算した妊娠週数と実際の妊娠時期が異なっている場合です。
この場合は時間を空けて再度検査すると、心拍を確認できるようになります。
2つ目の可能性は、流産している場合です。
この場合は時間を空けて再度検査をしても、心拍が確認できません。
この時期の流産の多くは、胎児の染色体異常が原因であると考えられています。
お母さんが働きすぎたり、食べたものなどが原因で起こることはほとんどありません。
もし習慣流産(3回以上の流産)が疑われる場合には、当院と連携している英ウィメンズクリニックやご希望の不妊症治療専門クリニックへのご紹介をさせていただきます。
Q3.クリニックでは妊娠何週まで健診ができますか?
当院での妊婦健診は妊娠初期までとなります。それ以降は近隣の施設やお産病院へご紹介させていただきます。
もしご希望の施設がございましたら、お申し出ください。